City2のアッパーを傷つけてしまったので補修した。
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いつのまにか傷つけてしまっていた。
このようにアッパーがえぐれてしまって傷がついた場合,修理を手がけている店に出しても傷を削って色を入れて貰う程度しかやってもらえないという回答をされたことがある。
革靴のアッパーの傷を埋めるのは難易度が高い話ではあると思う。
黒ならばかなりうまく補修できるが,黒以外だとアドカラーの色の調合がかなり難しいとは思う。
それとアドカラーには靴クリームで色が入らないので,黒以外では埋める部分の色がアッパーの革の色と完璧に合致している必要がある。
そして薄い色の靴の場合は元の革と埋めた部分とで色の差がはっきり出てしまうので,余計に難易度があがる。
また完全に傷を平らにできるかはわからないし,補修した後に微妙に質感がかわってしまう可能性が高い。
修理を依頼して手元に戻ってきたときには気にならなくても,しばらくたってから質感が変わっているとクレームが入ることもあり得るだろう。店としては,やりたくない修理ではないかと思われる。
そういう事情もあり,傷を埋めて補修するとなると自分でやるしかない。
アッパーを傷つけてしまった革靴の補修は何度かしており,その他の知見も生かして完璧に仕上げる。
用意するのはアドカラーチューブ,クレム1925,レノベイティング カラー補修,2000番の紙やすり,ブラシ,適当なへら。
今回はへらの代用品としてハーゲンダッツのプラスチックスプーンを利用。
まずアドカラーをわずかにとる。傷は目立つが,削れた量は思ったよりも少ない。そのためアドカラーは本当にわずかで十分。米粒大程度。
アドカラーでアッパーの傷を埋める。埋めた後,すぐにへらの端で平らにならす。
平らにならした後,少し時間をおいてから2000番の紙やすりでこする。
以前はもっと番手の低い紙やすりを使っていたし,他のブログではかなり番手が低い500番前後が推奨されている。
しかし,番手が低いと問題のないアッパーまでいためてしまう。
アッパーを紙やすりで削ってしまうと,表面の状態が他の部分と異なってしまうので色を入れた後も違和感が出てしまう。
そのため,番手が高くて削れにくい紙やすりを使うべきだ。
2000番が丁度いいだろう。2000番だと,アッパーはあまり削れず,アドカラー部分のみ削れていく。
いったん紙やすりでならして,指で触ってみて平滑が出ているか確認する。
ブラシで汚れを落とすのを忘れずに。
少し凹んでいたため,再度アドカラーを入れる。
これは最初よりもさらにわずかな量でいい。
アドカラーをわずかに入れて,また2000番で平滑を出す。
今回はこれできれいになった。
ブラシで汚れを落としておく。
平滑が出た後,レノベイティング カラー補修を入れる。
傷の周りも全体的にいれておく。
全体的に色を入れることで,傷ついて紙やすりをかけた部分と他の部分とをぼかしていく。
レノベイティング カラー補修で色を入れた後,ブラシをかけて余分な染料を落としておく。
ここまででもかなりきれいになる。
ここからさらに,クレム1925を入れる。
全体的にクレム1925を入れておく。レノベイティング カラー補修で入れた色を,さらに伸ばすことになる。
クレム1925を入れた後に,ブラシをかけて,布で磨きを入れる。
これで終了。傷がついていた靴とは思えない状態だ。