ブレゲ クラシックシリシオン 5177BB/29/9V6を入手した

昨年6月末に,サクソニアを買うために東京に出て以来,一度も東京に行っていない。

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昨年末にまたセールになっていたJohnLobbを購入してそのまま手つかずになっていたのと,時計関係で必要があったため,短時間にまとめて用事を済ませることにした。

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三越本店で,ラバー貼り付けの依頼。写真には写っていないが,履いている靴で補修が必要なものも依頼をしておいた。

RESHで聞いたところ,配送で依頼をするときは細かい内容をメールやLINEで打ち合わせできるとのことなので,次回からはそうしようと思う。状況改善には時間がかかりそうだし,なにより数が多くて持参するのも一苦労なのだ。

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日本橋から中野へ向かう。

実は少し前までChrono24でランゲ1デイマティックを買う算段をして,発注後カード決済までしていた。

しかし,個人販売者のフランス人がカード決済した後になって海外に売るのはいやだ,もうフランスの店舗に委託販売をしたと言い始めて売買がキャンセルされてしまったのだ。海外に売却するのがいやなら最初からChrono24に出品するべきでないし,相手方に決済させてから店舗に物品を持ち込むなど理解しがたい経緯だったが,仕方がない。

ただ私も初めて知ったが,Chrono24では業者販売の場合は手元に時計が来てから問題があれば返品可能だが,個人販売者から購入する場合は時計に問題があったり極端な場合偽物であっても,返品できないルールだそうだ。

これまでオーデマピゲやショパールの時計などを数度購入したときはいつもきわめてスムーズに取引できたが,販売者が業者か個人かはやはり大きいということか。

今回のトラブルも踏まえて,もしChrono24で購入する場合には個人販売者からは避けるのが得策だろう。

デイマティックの購入が不可能になってしまったため,いろいろと思案したが,以前から候補の一つとして考えていたブレゲ クラシックシリシオンを物色することにした。

シンプルな三針で端正な文字盤,かつエナメル文字盤というスペックは文句なし。

ネット通販でも物は出ていたが,エナメル文字盤ということが気になる。というのも,エナメル文字盤は製品によってはかなり質にばらつきが出ることがあるらしく,実物を確認しないと良くない個体をつかむ可能性があるのを懸念していた。エナメル文字盤の時計はこれまでいくつか見たことはあるので,少なくともダメかどうかぐらいは判断できる。

中野に現物があることはわかっていた。つまり中野で実物を確認してよければ買うし,ダメなら買わない。

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中野で目星をつけていたブレゲ クラシックシリシオン 5177BB/29/9V6を確認させて貰ったが,想像以上に魔力のある文字盤だった。写真だとただのシンプルな時計にしか見えないが,実物の文字盤はとても華がある。さすがに三針で300万円近くの値段設定は伊達ではない。それと秒針が非常に細いのは大変好み。

2014年に販売された個体で購入年から時間が経過しているということからか,中古品としても安価な値段設定。他所よりも安い値段設定だったので,何か問題でもあるのか?と思って実物を見てみたが特にそういうところは見当たらなかった。

当時の定価がわからないが,もしかすると2021年の定価2,827,000円よりも2014年当時は安価だったので,その分買取金額が低くなっているのだろうか。

30秒ほど確認して買うと告げたところ,早いですね,と店員の方に驚かれてしまった。

この後,某所でブルーの文字盤も確認したが,こちらもかなり良かった。さすがに同じ日に,同じ時計の色違いを買うのもどうかと思って購入はしなかったが。

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最後に,ジャンルソーでクロノトウキョウのクロノグラフのベルトをオーダーして,帰路についた。

本当はいろいろゆっくり見たいものもあったのだが,駆け足ですませることに。ベルトも取りに行けるのはいつになることやら。

パテックフィリップ ノーチラス 男性向け3針ステンレスモデルはすべて廃盤に

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パテックフィリップ ノーチラス 5711/1A-010が廃盤となる。

swisswatches-magazine.com

昨年の時点でパテックフィリップ ノーチラスの白文字盤モデルは廃盤となっていたことから,ブルー文字盤モデル(5711/1A-010)についても廃盤になるのではという噂はあった。

www.rasin.co.jp

またパテックフィリップのティエリー・スターン社長はステンレスモデルがブランドの顔となることについて従前から否定的だった。

www.hodinkee.jp

ゴールドないしプラチナモデルのほうが,社会通念としてはステンレスよりも希少で価値があると認識されている。ブランド価値を維持するためにはブランドの権威(それは希少性や神話などによって形作られる)が絶対に必要不可欠であるが,ステンレスでは何かの拍子にその権威が維持できなくなることを恐れているのだろう。

それともう一つ,はっきりと言明されていないがステンレスモデル,特にステンレススポーツモデルについてブランドが懸念していることがあると思われる。

ステンレススポーツモデルがこれだけ隆盛しているのは,ファッションのカジュアル化に起因するという指摘がある。

カジュアル化というとわかったようでわからない説明だが,もう少し具体的に言えば「着用者が気を遣わなくて良い格好」が好まれていて,マスもそれを求めているということだ。

ステンレスモデルが現在好まれているのは,「ゴールドモデルだと傷がついてしまうが,ステンレスモデルではあまり傷もつかず,気を遣わなくて良い」という理由がかなり大きい。

「傷がついてしまう,傷があまりつかない」ということはどういうことだろうか。

それは「着用者が傷をつけてしまうような環境にいる」ということだ。

すなわち,「着用者は腕を使用して,自ら何か行為を行い,働く者」である。

翻って,ゴールドモデルでも傷がつかない生活をしている人間とは,「着用者は自分で動かず,他人に行為をして貰い,働かない者」ということになる。

ハイエンドブランドとしては製品を後者に買ってもらいたい。

そのような人物が主な購入者であるということは,ブランドの権威を強化することはあっても弱めることはないのだから。

機械式時計,特にハイエンド側の製品は他者に対して,同じ機能を有する製品が数百円で手に入るのにもかかわらず機能的には不要な物品に対して着用者が多額の出費をすることが可能であることを知らしめるという一側面がある。

購入者がこの側面を無意識的にか意識的にか認識していることで,ブランドの権威が維持され購入意欲がかき立てられることは否定し得ないし,そのような者が購入者のうちかなりの数として存在していることは間違いない。

そしてみずから働く者が購入している者のうち多数になる,もしくは多数だと認識されてしまうことは,ブランドの権威に劣化を引き起こしかねない。

実際には,ブランドの売り上げのうち屋台骨となるのはローエンドの製品であることが多い。機械式時計も,複数本所持している人間はかなりまれで,一本のみの所持者の方が多数であることは間違いないだろう。生活する上で,時計は一本あれば足りる。

しかしローエンド製品が主力であるというイメージがつくことは,ハイエンドブランドとしてはなんとしても避けなければならない。

ノーチラスのステンレス三針モデルが完全に廃止され,ゴールドモデルにとってかわるという決断の裏には,ブランド維持という至上命題が隠れているとみて間違いないだろう。

新規のゴールドモデルの定価だが,ノーチラス5711/1P 40周年プラチナモデル(インデックスはダイアモンド,ただ40周年の文字が致命的に格好悪いと私は思っている)が税抜き1236万円であったことからすると,これよりは低いのではないだろうか。

getnavi.jp

ステンレス製よりも当然プレミアはつくであろうから,何の根拠もないが,700万円~1000万円の間くらいに設定してきそうな感じがある。

ステンレスモデルのノーチラスだが,今の二次流通価格が高額なのかそうでないのか,判断はつけにくい。ただ,二次流通価格の変動はあっても,定価を割るようなことはないのかもしれない。

CHRONO TOKYO クロノトウキョウ クロノグラフ CH001K レビュー

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昨年秋に販売が開始されたクロノグラフが,年末に届いた。

残念だったのは発売日にカード決済したのにもかかわらず,店舗の都合でカード決済ができなくなったため代引きになったとの連絡が入ったこと。了承いただけますか,と言われたがそれ以外に方法がないなら了承するしかない。職場を届け先にしていたのだが,配送業者から40万円の商品が届きますが代引きで大丈夫でしょうか?と事前確認の電話が秘書に入ってしまった。

www.neuve-a.net

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箱は三針と同じもの。

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白と黒,迷ったが黒を選択。

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尾錠は三針と形状を異にしている。三針は尾錠の外側がストレートな形状だったが,クロノグラフは尾錠基部の外側を膨らませている。

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38mm径なので非常におさまりがいい。

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文字盤は非常に美しい。

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長針・秒針ともに先端が曲げられていて,クラシカルな佇まい。

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秒針は細くした,と浅岡氏が語っていた。

www.neuve-a.net

パテックフィリップほどではないが,かなり細い秒針で私好み。秒針が細いと文字盤全体が締まる。

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さて,購入を検討されている方は厚さが一番気になっているのではなかろうか。

写真の通り,時計の表と裏であまり絞りをかけていないため,寸胴気味のスタイルではある。ランゲアンドゾーネも側面を絞らないスタイルだが,あちらは時計の表側と裏側の側面はポリッシュ,真ん中をサテン仕上げとすることで印象を変えている。しかしクロノトウキョウはポリッシュ一本なので太いな,という印象が来る。

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手前のクロノトウキョウの三針は薄いので,余計にそう感じるのかもしれない。

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手前のパテックフィリップの旧型の年次カレンダーは,時計の表側と裏側に絞りがかけられている。絞りをかけるのは薄型時計がもてはやされた時代に培われたテクニック。

ただクロノトウキョウのクロノグラフでやろうとすると,ムーブメントとの兼ね合いで難しかったのかもしれない。ケースをムーブメントより小さくすることは不可能なので,段差なり絞りをつけるのであればケース径を拡大する必要が生じる。また絞りをつけると仕上げもそれだけ面倒になることも予想される。ケース径をとるか,視覚的な薄さをとるか,どちらを選択するかということになったのかもしれない。

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簡易にはかるとケース径の最大幅の高さが8mmほどだった。クラウンの直径に合わせたサイズなら視覚的な印象はかなり変わったと思うが,そのぐらいは設計段階で検討した上で最終的にこうなったということだろう。

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横から時計単体で見てしまうと視覚的に寸胴に見えるが,厚さ14mmはダイバーウォッチやスポーツウォッチでは珍しくなく,ぎりぎりシャツの袖口に収まるレベルだった。

38mm径なので,着用している限り厚さは気にならないのではなかろうか。

またクロノトウキョウのクロノグラフ,実際に着用してみると不思議と据わりが良いのである。

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重量を量ってみたところ,82g弱。厚さの割りに軽量級だ。

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ランゲ1はDバックル込みで118g弱。WGだとそれなりの重さになる。

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軽いと思っていたChopard LUCも100gを切れない。

クロノトウキョウのクロノグラフは,素材がステンレスで重量が軽いこと,ケース径がコンパクトで重心が腕側にあり,かつラグ位置とラグホール位置の設計が優秀であることがつけ心地の良さにつながっているということになろうか。

時計は人が身につけたときに完成形と考えれば,時計単体で見たときに厚いという印象を感じたとしても,身につけたときに厚さを感じず使いやすければそれでいい,ということが製品設計の最終目標となることはなんらおかしくない。

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価格が40万円を超えているため,この価格帯だとクロノグラフの選択肢は他にもある。しかし,緻密な計算の元デザインされ外装に振り切った時計は身につけたときの満足感が非常に高い。

www.webchronos.net

ウェイ・コー氏がクロノトウキョウのクロノグラフをベストとして取り上げるのも納得だ。

クロノトウキョウ,今後は日本国内専用モデルは発売しないとの情報がある。日本国内専用モデルはマーケットの小ささから売切りが難しく,ワールドワイドでは売り切れが続いているといういびつな状況なので,モデルを一本化するのはやむをえないだろう。そうすれば国内で売れない分を海外販売に回すことができるので,在庫リスクは劇的に減らすことができる。

ただワールドワイド版は,文字盤のメーカー名が「クロノ」とカタカナになっているため正直手を出しにくい。

噂では「クロノトウキョウはコストがかかりすぎていてぜんぜん儲からない」と関係者がぼやいていたとも言われている。価格からするとこれほど外装の出来が良い時計はもう販売されないかもしれない。「CHRONO TOKTYO」銘の時計が終売になるのであれば,手に入れることをお勧めしたい。

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来年は良いお年をお迎えください

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しばらく更新しないままになってしまった。撮影済みの写真を死蔵してしまうともったいないのでとにかく掲載しておく。写真は気にし始めるときりがないので,ある程度のところで見切るのも必要かもしれない。

ジャガールクルトのサンムーンは,所有している時計の中でも審美性という点では白眉といってよい出来。いつ見てもその裏面は美しい。

 
 
 
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ところで近況だが,今月25日にはサクソニアフラッハ コッパーブルーをつけていた。

 
 
 
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仕事の最終日には,パーペチュアルカレンダー。

世情が世情で外部的なイベントがないため,自分で何らかの区切りをつけていくしかないだろう。

さて,今年は社会情勢も大変だったが,私自身の生活もだいぶ変化があった。リモートが可能な行為はほぼすべてリモートに置き換えをしたせいで,以前と比べると早く帰宅するようになった。そのほか,お誘いいただきネットで講演をしたところ結構な方に閲覧していただくなど,ポジティブな変化も多々ある。所詮,自分の手の届くは範囲は限られているのだから,その範囲でやれることをやるしかないだろう。

このブログでは来年も,特定の分野にとらわれずライフスタイルに関することを記録していきたい。

みなさまも,来年は良い年をお迎えください。