画像引用元:Auction Report: A Crazy Prototype Patek Philippe Aquanaut - HODINKEE
先日,Antiquorumでパテックフィリップ アクアノートのプロトタイプと称する商品が出品されていた。
海外時計メディアでは結構話題になっていたのだが,私自身はうーんという感じで見ている。
国内ディーラーの方によると,経緯は以下の通りらしいが…。
初代アクアノートは1997年頃に販売されている。
その頃であっても時計のような商品を扱う店舗であろうが,商品持ち帰りの有無は検査するし,ましてやケース素材として金を扱う時計メーカーが持ち帰りのチェックをまったくしていなかったとは考えにくい。
少なくともこの話がそのまま真実かと言われると信じがたい,という感触だ。まだ社員が窃取して,そのままオークションに流したという話のほうが信憑性がある。公売によるオークション(競売)ならば,公文書として記録が残っていそうだが,果たして記録まで確認しているのだろうか。
今回の出品物は,アクアノート(Ref.5065でもいい)のケースとノーチラス Ref.3710のムーブメントを合体させて,文字盤を新造すれば一丁上がりである。ロレックスではおなじみのレアピース作成方法だ。
文字盤新造にはコストもかかるが,売却金額を考えれば十分元は取れる。
文字盤を作るぐらいはわけはない。海外ではカスタムとして本物に別の文字盤を組み合わせている例もある。
ワインの世界ではジェファーソンボトルという怪しげな話も以前あり,時計もオークションだからといって必ず信用できる品物であるわけではない。
私がもし買えたとしても,危なくて到底手を出せない。
パテックフィリップが今回買い戻したというのでなければ,真贋がかなり怪しいのではないか。