CHRONO TOKYO クロノトウキョウ TiCTAC×HAJIME ASAOKA 自動巻 バニラベージュダイヤル ref.CT002V レビュー

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CHRONO TOKYO クロノトウキョウ TiCTAC×HAJIME ASAOKA 自動巻 バニラベージュダイヤル ref.CT002Vも,先週無事に届いた。

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ブルーもそうだったのだが,裏蓋のオープナー用の穴が竜頭に揃っている。他の個体もきちんと合っているのだろうか?

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ケースの磨きは素晴らしい。映り込みにゆがみがないのが見て取れる。

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撮影しているスマートフォンが,ケースの局面に綺麗に沿って映し出されている。

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ノーチラスも綺麗に映り込みが出るのだが(微妙にゆがんでいるのは,ケースに角が存在しているため),ポリッシュ部分だけで言えば負けていないのではないか。

 

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文字盤だが,端正な印象を与えるのは文字部分がきちんと揃っているからだろう。

文字部分はCHRONO, TOKYO, Automatic, JAPAN MADEのそれぞれが別フォントだと思われるが,きちんと揃えられているためバラバラな印象を与えない。

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また37mmというケースサイズで,かつ外周に溝が切られているため,アプライドインデックスがわずか四個しかないのにもかかわらず空間があることを感じさせない。

文字盤内に円周を作る手法はランゲの1815でもとられているが,文字盤の内周すべてを凹ませると仕上げ後の歩留まりが悪くなるのではないかと思う。

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溝を切るのにも苦労はあるようだが,コストをかけずに空間を埋める文字盤の作り方としては頭のいい解決法だと思う。
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また,文字盤で埋めなければならない空間は溝の内側だけであるため,時針は溝の内側まで。そして分針は溝の内側部分までを太くして,先端はレールウェイに届かせる。こうすれば溝の内側部分は「埋まる」。

文字盤のデザインが理詰めで作られているように感じる。

20万円以下で良い時計を,となったときにムーブメントの仕上げをまず切ったのだろう。ムーブメントは部品が細かいため,エボーシュの仕上げをするとしてもいくらでもコストと時間がかかってしまう。

ムーブメントは機械式で信頼性があるものを使用して,シースルーバックにはしない。外装はムーブメントと比べれば部品は大きく,ムーブメントと比較すれば低コストで良い仕上げを望むことは可能だ。

また,文字盤もコストを抑えるために必要最小限のデザインではあるが(インデックスが4つしかない文字盤なんて珍しいだろう),決して貧相なデザインではない。コストありきで作成されたのではないかと思うが,制約が創造性を生むという見本だろう。

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さて,37mmというと手持ちの時計だとアニュアルカレンダーだろうか。並べてみると兄弟機のようである。

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ただCHRONO TOKYO クロノトウキョウはラグがかなり細いのである。しかもくびれがついていて,時計にスマートかつ優美な印象を与えている。

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ショパールのLUCも37mm。CHRONO TOKYO クロノトウキョウのほうがベゼルが細い。

LUCと比較しても,ラグが細く綺麗な曲線を描いているのがわかる。ベゼルの細さとラグの細さが,時計全体の印象をかなり左右している。ケースの鍛造にもこだわりがあるようだが,高級機と並べても見劣りしないというのはすごいことだと思う。

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バニラベージュダイヤルは写真で撮ると針が黒くなってしまうのだが,本来的にはポリッシュされた針である。

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 販売数が少ないことだけが玉に瑕だが,時計自体はまさに玉と言って良い時計である。再販についてはTiCTACのサイトで告知されるだろうが,しばらくは争奪戦が続きそうだ。