湯島にある,Bistrot Taka(ビストロタカ)で食事をした。
星はないがミシュランにも掲載されているという。フルコースでワインを頼んで一人1万円前半なので,そこまで高くはない。
小さな店だが,シェフのセンスが抜群。フレンチだがしつこくなく,ジビエなど珍しいメニューも出される。赤坂のマキシム・ド・パリがなくなった後,いくつか店を開拓してみたのだが,現時点での一番のお気に入りの店となっている。
前菜は温かいケーキ。ケーキと言っても塩気のある生地になっている。
夏野菜のテリーヌ。さっぱりとしたトマトのソース。
鮑と仔牛の胸腺肉。ソースはオレンジベース。
冷たいコーンのポタージュ。甘みが非常に強く,かつコーンの匂いがしっかり出ている。
魚料理は,ソースに香辛料が使われている。辛さがあるわけではなく,素晴らしいタイミングで調理された魚と大変合う。
肉料理は,鳩。右上の小さな塊は,鳩の心臓。小さな塊の上にあるハートの近い形の添え物には,鳩の内臓のペーストがつけられている。
ソースにはカカオが使われており,濃厚な味わいが楽しめる。
デザートは,桃のコンポートにヨーグルト風味のアイス,甘酸っぱいラズベリーのソース。ジュレにはバジル風味がついていて,全体の味が引き締められている。
最後にカフェオレをいただきながら,お菓子をいただく。
基本的にシェフが一人で調理をされており,シェフの他に調理アシスタントの方が一人,給仕の方がもう一人いるというお店なので,ディナーは時間の余裕を持って行かれたほうがいい。
フルコースでなくとも,シェフの腕は十分味わえるので,予算に応じて軽めのコースにしても良いと思う。書くことで気がついたが,素材の調理も素晴らしいが,どの料理もソースとの組み合わせの妙がある。他のフレンチでは見ないようなソースが料理にあわされており,かつ意外なソースが食材とあっている。
軽めのコースであれば,飲み物込みで一人8,000円から1万円といったところか。ちょっといい店で夜の食事となると,都内ではそれなりにかかってしまうだろうが,よくわからない店に予約するくらいならこの店に来たほうがよっぽといいだろう。旨い料理,職人技をじっくり堪能することができる。