WindowsタブレットCHUWI Hi10 + iFI nano iDSDでインターネットラジオを高音質再生する

職場の音楽環境をいったん整えたが,有線のイヤフォンで取り回しが悪く,また音楽を聴いていると声をかけられてもすぐに気がつかないということもあってだんだんと使わなくなってしまった。

しかし移動時にはSONYのノイズキャンセリング付きワイヤレスイヤフォンをずっと使っており,音楽を聴くのであればこちらのほうが良いのではないのか,ということで職場用にも買い足した。

移動用と兼用すると,ペアリングが面倒になるし,職場で使い続けて移動時にイヤフォンのバッテリーが切れるのは避けたいので,移動用と職場用を別に用意したほうがよいだろう。

移動用には白を使っているので,区別できるように職場用は黒を発注。

ノイズキャンセリング機能がついているため,空調や機械の音などがなくなりかなり集中できる。また音楽を非常に小さい音量にして,声をかけられても問題がないようにしている。ノイズキャンセリング機能のおかげで,音量を相当小さくしてもそれなりに聴き取れるので丁度良い。ノートパソコン等にはBluetoothが実装されていることが多いので,その機能を使えば簡単に利用できるだろう。もし機能がない場合にはアダプターをつけることでも対応できる。

音質については,ワイヤレスイヤフォンとしてはかなりいいほうではないかと思う。また,ノイズキャンセリング機能のおかげで環境音に埋もれてしまうような音も聴き取れるので,その分音が良いように感じるのかもしれない。

わかってはいたが,やはりワイヤレスにすると非常に便利。席から立って別の場所で作業をしたり,資料を取りに行くときも,イヤホンを外さずそのまま移動できるのでたいへん気軽である。

 

さて,職場の環境は整ったのだが,自宅での音楽環境に問題が出てきた。10年ほど使っているSqueezeboxというミュージックプレーヤーの音飛びが頻発するようになり,またボリュームを最大にしても音の出力がかなり小さく,スピーカーのボリュームを最大にしないと適正な音量にならない。スピーカーのボリュームを大きくすると音楽を再生しないときにホワイトノイズが聞こえてしまい,気分も良くない。あまりに調子が悪いので一時的にアンドロイドタブレットをスピーカーにつないでインターネットラジオを再生していたが,その音と聞き比べてみるとSqueezeboxで再生した音は高音が強調されており,どうも出ていない音域もあるようだった。全体的に老朽化が進んでしまったのだろう。

 Squeezebox社は,小さな会社でミュージックプレーヤーを作っており,当時はアメリカの雑誌等でその音質の良さが絶賛されていた。しかしLogitech(日本ではLogicool)に買収されてしまい,その後Logitech(Logicool)がミュージックプレーヤーに興味を失ったので開発が完全にストップ。製品はすべて廃盤となっており,新品を買うとなると相当な金額を出すことになる。

しかし10年前の機械なので,最近の音楽フォーマットには対応しておらず,もう一度買うかと言われるとさすがにそれはない。

調べてみるとGrace Digital Wi-Fi Music Player with 3.5-Inch Color Display (GDI-IRC6000) という似たような機械があり,Squeezebox難民はこちらに流れているらしい。

米Amazonで発注して個人輸入すれば2万少々なので,どうしようかと迷っていたが,インターネットラジオだとバッファが小さければ音飛びが発生してしまうし,新しい音楽フォーマットに対応できないとまた面倒だな,ということでかなり悩んで購入に踏み切れない。

そういえば,職場で使っていたiFIのDACが余っているなと思いだし,これに小型Windowsマシンをつなげば何とかなるか?と思ったがモニターを用意したりするとどうも大がかりだ。

いや,Windowsマシンならあることはあるし,かなり安価に導入できる。Windowsタブレットをメディアサーバーとしてつなげばいろいろな問題が解決できるのでは,と気がついた。

実は以前個人輸入したCHUWI Hi10は32bit Windowsしか対応しておらず,アップデータを適用すれば64bitに対応するものの,海外フォーラムの投稿を読むとアップデータ適用による不具合もあるようで,どうしたものかと思っていた。特に無線関係で不具合が出るとの報告があり,Windowsタブレットで無線がつながらなくなるのではどうにもならない。64bitにしたい気持ちはあるが,割と致命的な不具合が起きるのも困る。

というのも,現在販売されているCHUWI Hi10は64bit対応に変更されており,仕事で使うのであればそちらにした方がいいのではないかと思っていたのだ。32bitだと4Gbyteのメモリが全量使い切れず,メモリ不足のエラーが出ることもあって使用に多少気を遣わなければならなかったが,64bitであれば4GbyteすべてWindowsで使うことができる。

つまり,32bitのCHUWI Hi10を自宅でメディアサーバーとして使い,64bitのHi10を発注すれば自宅と職場の二つの問題が解決するし,余っているiFI nano iDSDも有効活用できる。

という訳で,Hi10を発注して,最初に買ったHi10とiFI nano iDSDを自宅に持ち帰る。

Buy Products Online from China Wholesalers at Aliexpress.com

注文は前回と同様,Aliexpress経由。個人輸入といっても少し時間がかかるくらいで,普通の通信販売と何ら変わるところはない。電子機器なので,個人で使う分には関税もかからない。

Aliexpressでは複数の業者がCHUWI Hi10を販売しているが,リンク先のVC Mallは中国の業者にしてはかなりきちんとしている。業者によってはいろいろとトラブルがあるやに聞くし,海外通販は問題がなければいいのだが何かトラブルが起きると解決にはかなり手間がかかる。そのため,できるだけ問題のなさそうな業者を選ぶべきだろう。

海外通販にアレルギーがあるのであれば,アマゾン経由や楽天,ヤフー経由で購入するという方法もあるが,購入価格は上乗せになる。保険料として仕方ない面もあるが,中華タブレットは性能のわりに安価であることが最大の特徴であるため,その特徴をスポイルすることにはなる。

さて,iFI nano iDSDを接続するためにはUSBポートが必要になる。8インチクラスのタブレットでは,充電用のUSBポート一個しかついていないのが通常で,電源を取りながらUSB機器をつなぐのは少し面倒になる。CHUWI Hi10は充電ポートと別に,USBコネクタが二つついているため電源を取りながらUSB機器を接続することができる。

また,当然ながらフルWindowsなので,Windows対応機器はすんなり接続できる。

ただし,Hi10をメディアサーバーとして使おうとすると不具合がある。

Windowsタブレットは省電力にしてバッテリーを持たせるため,初期状態だとディスプレイを消すとUSBポート(正確には対象はLANポートなど外部ポート全般)からのデータの入出力をすべて中断してしまう。つまり,ディスプレイを消灯するとUSBからiFI nano iDSDにデータが流れなくなるのでスピーカーからの音も消えてしまう。とはいえディスプレイを点灯させ続けるのはディスプレイを劣化させ,無駄な電力を使うだけなので避けたい。この問題を解決するためには,以下のリンクを参考に,レジストリの設定を変更してから電源オプションを設定し直す必要がある。

 

Windowsタブレットでファイルサーバを作る | 自己満 備忘録

検索からregeditと打ちレジストリエディタ「regedit.exe」を起動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE System\CurrentControlSet\Control\Power と進みます。
「CsEnabled」の値のデータを「1」から「0」に変更します。(InstantGoの無効化)
レジストリエディタを閉じて、Windowsを再起動します。
電源オプションの詳細設定より、画面消灯時もスリープしないよう設定します。

 

また,Windowsタブレットにミュージックプレーヤーをインストールする必要もある。

面倒くさい方は,ブラウザでネットラジオのサイトを開いて,そのまま再生するだけでも良いと思う。

ちょっといい音で聞きたいという方であれば,foobar2000というメディアプレーヤーをインストールするといいだろう。

foobar2000のインストール手順 | ハウツーIT

さらにもう一歩,WASAPIプラグインを導入すれば完璧。出力データは1bitもいじられることなくアナログ部分まで到達する。

foobar2000でWASAPIを使って高音質化する手順 | ハウツーIT

 

 音飛び等の対策として,foobar2000のバッファをできるだけ大きくしておけば完了。

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さて,再生してみたが非常に満足のいく音が出る。聴き疲れもしないし,ソフトウェアを更新すればずっと使い続けられるだろう。

音に関しては主観的なものが強く,叙情的な表現になりがちなので評価は難しいが,iFI nano iDSDによる再生は「再生に必要な音はすべて出ている」ということになろうか。モニタースピーカーのような再生,と書かれたものを見たことがあるが,まぁそのような感じなのかもしれない。

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おまけでもう一つ,自宅ではタブレットとスピーカーを棚の一番上に設置しているので,いちいちタブレットを触るのも手間がかかる。

これはWindowsタブレットのデスクトップをリモート操作できるソフトを導入すれば解決する。

このソフトをまずWindowsタブレットにインストール。さらにアンドロイドタブレットや手元のパソコンにもインストールすれば,Windowsタブレットのデスクトップをアンドロイドタブレットや手元のパソコンで操作することが可能になる。アンドロイドタブレットや手元のパソコンがリモコンになるので,スピーカーのところまで行ってわざわざ操作する必要がなくなり大変便利。Squeezeboxはリモコンがあったので便利だったが,このソフトの導入で同じようにいすに座ったまま操作できるようになったのでかなり満足だ。

再生される音楽も,言われなければインターネットラジオの曲だとはとても思えないだろう。Windowsタブレットは今後もいろいろな機種が発売され,かつ安価に提供されるのではないかと思うが,このように単一用途サーバーとして役割分担させるのも悪くないのかもしれない。