サクソニアフラッハ コッパーブルーの時計ベルトをジャンルソーで交換

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先日,サクソニアフラッハ コッパーブルーの時計ベルトを交換した。

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サクソニアフラッハ コッパーブルーの文字盤に合わせて,ベルトは濃い紫。

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剣先はもともとついていたベルトと同形状。

子穴はベルトを交換してから現物合わせで一カ所だけあけている。

ステッチは紫と青の中間くらいの色にした。もともとついていたベルトはステッチなしだったが,耐久性も考えてステッチありでオーダー。

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尾錠側は遊革なし,定革のみ。

人によっては定革なしで遊革のみにする方もいるようだ。

遊革は革が肌についてしまい,どうしても汗を吸って傷んでくるので(どうやってもいやなにおいから逃れられない),私はつけないほうがいと思っている。

既製品の場合には剣先の余りを納めるために遊革が必要になるが,オーダーでちょうどいい長さで誂えてもらえば定革のみで問題ない。

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ランゲのDeployantバックルはやや硬めか。ジャガールクルトの片開きDバックルと感触が似ている。どちらもリシュモングループなので同じサプライヤーが製作している可能性がある。

ショパールのDeployantバックルがつけたときのはまる感触がきちんとあり,かつバックルに外すために手をかけた位置が適切だと軽い力で外れるため,一番良くできていると思う。

パテックのDeployantバックルは調整ができていれば感触もよく外すときに力もいらないのだが,留め具の調整が甘い個体があるのが気になる。

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裏は青紫のラバー,尾錠側にはジャンルソーの刻印。裏面の処理もきれいで申し分ない。

ジャンルソーでは7年前からベルトのオーダーをしているが,納期も早く,カミーユフォルネよりベルトの耐久性もあるように思う。

裏をラバーにすればある程度長く使えるし,カーフであればそれなりの値段で作ることもできる。地方では時計店が代理店となってオーダーの受付もしているようなので,まだ試したことがない方は一度オーダーしてみてはどうだろうか。

ランゲのDバックルを36万で購入 / ジャンルソーでベルトを交換

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ジャンルソーで頼んでいたベルトが完成したと二回連絡を受けていたが,東京に行く機会も現状なく,状況も状況なのでそのままになってしまっていた。

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とはいえこのまま放っておく訳にもいかないし,ベルトを交換しないことには買った時計を使うこともできない。他の用事もあわせて済ませることにして,東京に出た。

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まず伊勢丹のランゲブティックで,WGのDeployantバックルを購入した。

新規に時計を購入した時であれば,尾錠を7万円で下取りしてもらい,差額分を払えばDeployantバックルを購入できるとのこと。しかしこの話を知ったのが最近だったので,購入時には尾錠のままで購入している。未使用であるため一応下取り交換できないか問い合わせはしたが購入時のみの取り扱いとのこと。まぁ仕方ないだろう。

WGのDeployantバックルはChrono24でも探していたが結局見つからず。先月くらいに中古のプラチナ製純正Deployantバックルが35万ほどで一瞬出たが,送料と消費税を考えるとWGを新品で買った方が安く上がらないか(送料と税金を合わせると40万円ほどになってしまった),ということで見送った。

その後もしばらく探していたが物がなく,他社製のDeplyantバックルにすることも考えた。ただ結局最後に純正品を買うなら寄り道しても仕方ないので,おとなしくブティックで購入することに。

ランゲのゴールド製Deployantバックルは,片開き・両開きともに本体36万円+消費税3万6000円の合計39万6000円。伊勢丹ブティックでは株主優待が使えるので,本体価格から10%割引になり,税込み35万6400円で購入した。

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その足でジャンルソーに向かう。

新宿も以前よりも人通りが少なかったが,銀座は本当に人が少なくなったと感じる。

ジャンルソーに到着し,さっそくベルト交換を依頼。

が,ここでジャンルソーの方から「ランゲのDバックルのバネ棒が長くて入りません。」と言われる。

ランゲブティックでは私の目の前でバックルとバネ棒がセットになっている袋から出してそのまま渡されたので,そんな妙なことになっているとは思わなかったが,実際に長さが2mm長いらしくこれでは付けられない。

すぐに伊勢丹のランゲブティックに電話し,事情を説明したところ,銀座のランゲブティックに話を通すのでそちらで交換してくれるとのこと。

ジャンルソーから銀座のランゲブティックまでは200mくらいなので,荷物を置かせて貰って歩いてブティックへ。

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ランゲブティックでも長いバネ棒であることを確認していただいたので,無事に交換。新宿まで戻ることも一瞬覚悟したので,だいぶ助かった。

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バネ棒が交換できたので,ジャンルソーで無事にベルトを取り付けてもらえた。

ベルトはサクソニアの文字盤に合わせて暗めの綺麗な紫に。裏のラバーも紫。

ベルトを革から切り出す場所や,竹斑の位置などはいつも完全にお任せにしている。プロには素人が変に口を出すより,全面的に信頼してお任せにした方がほとんどの場合良い結果が得られると思っている。

今回もきれいに作っていただき,大変満足。

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ショパール Chopard L.U.C Quattro 16/1863のベルトも交換できた。ショパールの純正Dバックルにあわせてベルトの長さも調整して貰っているので,とても具合が良い。

さっそく使いたい。

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やりたいことは大分すませられたので,特別な用事がない限り東京に出ることはなさそうだ。

Jean Rousseau JapanでChoprad LUC カリテ フルリエ 16/1896が紹介されていた

半年ほど前のJean Rousseau Japanによる投稿で,私のChoprad LUC カリテ フルリエ 16/1896が紹介されていた。

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最初投稿を見たときはChoprad LUC カリテ フルリエを私以外で持っている人がいるのは珍しいな,と思っていた。

ただ古い時計ではあるしまったく同じ時計を持っている人がオーダーしたのだろうか,と思ってよく見たところ,ベルトの竹斑が一致していたので私のオーダーだと判断した次第である。

私の時計ベルトのオーダーは革の色やステッチの色を派手にしないしオーソドックスなスタイルにしてしまうので,取り上げられるようなものではないよなと思っていたので意外と言えば意外。

写真を拝見させていただくと他の方のオーダーはさまざまではあるが,なかなか強い色合いの選択も多いようだ。食事と同じであまり個性が強すぎると飽きてしまうと思うので,ちょっと私には真似しがたい感じではあるが,このあたりは完全に個人の好みの問題だろう。

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革ベルトの時計はオンのときに使用するものなので,相手に与える印象と自分が飽きずに長く使い続けられるかという観点からはどうしてもオーソドックスなスタイルの選択になる。

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Choprad LUC カリテ フルリエ 16/1896を気に入っているが,針とインデックスの平滑が出過ぎていて,角度が悪いと上記写真のように針とインデックスが文字盤に溶け込んでしまう。

針とインデックスの夜光についてこれがなければ,という意見も見たことがある。しかし平滑が出ている部品を使っていて,角度によって視認性が著しく悪くなる部分をカバーする面もあるため,デザイン全体として夜光は必要不可欠だったといえるだろう。

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この日は久しぶりに飲みたい気分だったため,いきつけのバーの閉店後に入店させて貰った。スイカのソルティドッグをいただけて満足。閉店後なら三密も避けられる状態なので,またマスターにお願いさせてもらおうと思う。

パテックフィリップマガジン Volume IV Number9

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パテックフィリップマガジンが先日届いた。

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クラシックの真髄では,年次カレンダー Ref.5035をピックアップ。

Ref.5035初出のアニュアルカレンダームーブメントは,現在も年次カレンダーに使用されている。初代の5035はサイズもちょうどよく,カレンダー表示もまとまっていて非常に気に入っている。

https://www.instagram.com/p/CD_URZXnsSF/

明るいところではホワイトに見えるが,少し暗いところでは銀色の文字盤で縦の筋目が確認できる。

https://www.instagram.com/p/B6S5if9hDRW/

Ref.5396Gもムーブメントは同一だ。近年の年次カレンダーは扇形の表示になっているが,私はどうもいまいち好きになれない。

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シンガポールで開催されたウォッチアート・グランド・エグジビジョンの紹介。

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レマニアムーブメントから自社ムーブメントに移行した,クロノグラフについて。

そこまで興味がないので流し読み。

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針の作製は,歩留まりがそれほど良いわけではなく製作しているフィードラー社も細心の注意を持って作製しているようだ。

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一番面白かったのは,20世紀初頭にブラジルの代理店が展開していた「パテックフィリップ・クラブ」の顛末。

パテックフィリップにゴンドーロモデルを発注したのが当時のブラジルの代理店,ゴンドーロ&ラブリオ社。

ゴンドーロ&ラブリオ社はパテックフィリップ・クラブを運営し,その運営は以下の通りであった。

①180人の参加者が毎回10スイスフランを支払い,毎週一回の抽選会に参加する。

②抽選会では毎回当選した一人に790スイスフランの時計が与えられる。当選者はその後の支払いを免除される。

③79回の抽選に当たらなかった者は,79回で合計790スイスフランを支払い,全部の抽選会終了後に790スイスフランの時計を入手する。

ゴンドーロ&ラブリオ社からすると,180人に定価790スイスフランの時計を616スイスフランで売却できたという計算になる。

百貨店の友の会のようなシステムだろうか。このようなシステムにしていたのは,ブラジルの法律に違反しないようにするためのスキームだったという。

そのころ,ゴンドーロ&ラブリオ社の販売量はパテックフィリップの1/3を誇っていたようだが,代理店の経営破綻によってこの販売網は全滅し,時計の売掛金も回収不能。

そしてパテックフィリップ・クラブにおける時計の販売契約はパテックフィリップとゴンドーロ&ラブリオ社ではなく,パテックフィリップ・クラブのメンバーとパテックフィリップが直接するものとしていたらしい。

そのためゴンドーロ&ラブリオ社に残っていた時計は,パテックフィリップ・クラブとゴンドーロ&ラブリオ社との契約ではなくパテックフィリップ・クラブとメンバーとの売買契約であったため,ゴンドーロ&ラブリオ社から引き上げることができない。

このようにゴンドーロ&ラブリオ社の破綻により当時のパテックフィリップは二重の損失を被ったようだ。

手痛い社史を掲載できるほど今のパテックフィリップに余裕と勢いがあるのか,はたまたパテックフィリップ自身の戒めとして掲載したのか。いずれにせよ,興味深く読ませて貰った。